財団法人衣服研究振興会がCOAK賞発表 きもの・帯全体をレース柄に 最優秀賞に草野さん  (2007/01/01)

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 財団法人衣服研究振興会(理事長=奥野善彦奥野総合法律事務所所長)は「きものの意匠・着装デザイン画」を昨年6月より公募していたが、第3回COAK賞の選考結果をこのほど発表した。  最優秀賞には、草野真由さん(福岡県香蘭女子短期大学)が優秀賞には、田村尚子さん(福井県仁愛女子短期大学)、山下真季さん(福井県仁愛女子短期大学)、西山秀雄さん(京都市.自営業)の3名が選出され、最優秀賞には30万円、優秀賞にはそれぞれ15万円が贈られた。 応募総点数は728点と前年度の585点からさらに増加している。学生の応募点数が647点と大きく伸び、学校単位での課題や教育の一環として取り上げられる例が増えていることが要因の一つ。  さらに和を自分の生活の中に取り入れるライフスタイルが定着し、ファッションとしてのきものが新たなブームとなってきていることも要因と考えられる。  それらは応募点数の増加だけでなく、応募内容にも現われてきており「各作品ともに高レベルとなっている。着眼点や創造力を尊重して選考したが、苦渋の選択であった。各作品のレベル差が小さく佳作は募集時の発表では5名としていたが、その倍の10名を選出することとなった。」と選考委員会は述べている。  選考は委員長に専務理事の小西哲夫(舞やまと会長)、委員に評議員から松島茂(法政大学経営学部教授)、室木道昭(京朋社長)、やまと高比良治郎商品本部長の4名とで選考委員会を構成した。  選考過程は第一次選考として、独創性・ファッション性・具現性・きものの印象性の4項目を厳正に審査し、合計得点により上位50位までを一時選考通過者として考えていた。  しかし、各作品ともに非常に僅差であり学生の部では40名、一般の部では13名、プロの部では13名の合計66名を一次選考通過者とした。二次審査では各作品を一点一点選考委員が吟味し、精査を経て各賞を最終決定した。  最優秀賞に選ばれた草野真由(学生)さんの作品は、きもの・帯全体をレース柄にした斬新な発想が選考委員全員から高く評価された。レースも花柄に限定しレトロな大人っぽさが本人の意図した通り十分に表現できている。

桐生の機業4社 ブランド「きりはた」の新作発表 珍しいフルーツ柄をテーマに (2006/12/11)

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 桐生の機業家4社(泉織物、江雅織物、後藤、高光織物)の統一ブランド「きりはた」の新作発表会が12月6日から10日まで、東京・銀座のギンザ・ギャラリーハウスで開催され、4社からはフルーツをテーマにした作品50点余を含め200点が出品された。  昨年は縞と格子をテーマにしたが、今年は和装では珍しいフルーツ柄を取り上げ、きものや帯、小物を製作した。着物の地紋にはりんご、桃、バナナ、パイナップル、メロン、洋梨、ぶどう、さくらんぼ、みかんなど。帯は苺、びわ、りんごなど。今まで手がけたことのない柄だけに苦労したようだが、可愛らしさは明るい色で表現し、リアルさとのバランスがとれた作品は好評だった。  また、泉織物の着尺と後藤の京袋帯を組み合わせた正絹プレタきものセット16点、高光織物はパイナップル繊維100%の八寸帯地を出晶した。なお、泉織物では毎年元旦の上州路を飾る「ニューイヤー駅伝」の正絹たすき37本を製織した。

きものサミットIN東京 過量販売、過剰与信一掃を宣言 和装文化を考える120分 (2006/11/13)

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 今年で第十回目を迎えた「きものサミットIN東京」が11月10日、有楽町の蚕糸会館6階ホールで開催され、和装文化を考える120分と題して・呉服の過量販売・過剰与信の一掃、・地域団体商標の確立とブランド戦略、・日本の絹マークの推進、・国産繭・生糸の振興をテーマに、基調講演とパネルディスカッションなどが開催された。  主催したのは社団法人日本絹人繊織物工業会、同日本絹業協会、京都商工会議所で、東京商工会議所が共催、経済産業省、農林水産省、東京都、農畜産業振興機構、大日本蚕糸会、日本商工会議所などが後援して開催された。  サミットは開催委員会を代表して日本絹人繊織物工業会の坂根徹会長が挨拶して始まり、はじめに呉服の過剰与信について池本誠司弁護士が、地域ブランド確立の現状について本宮照久弁理士が、国産繭・絹の振興について吉國隆氏がそれぞれ基調講演を行った。  続いてパネルディスカッションにはいり、経済産業省製造産業局の宗像直子さん、アシェット婦人画報社美しいきもの編集長の棚町敦子さん、産地を代表して西陣織工業組合の渡邊隆夫理事長がそれぞれの立場から発言、その後会場からの質問を交えディスカッションが交わされた。  基調発言の中で呉服の過剰与信について池本誠司弁護士は、・過量販売は一部の企業、一部の販売員の問題として考えるべきではない、・ニーズが低迷している=その打開策として積極的な販売、こればかり、しかもクレジットが介在している、・法の世界は刻々と変わっており、顧客の知識や財産に配慮した売上、適合性の原則が求められている、・割賦販売法の改正で過剰与信は精神規定から責任問題になる、・適正な販売をどうやって打ち出すかが今、業界に問われている…などと語っていた。パネルディスカッション終了後、サミット宣言を採択した。 きものサミット宣言  「きもの」は、日本が世界に誇る偉大な文化である。日本人の生活様式が激変したのは20世紀末であったが、我々はきもの文化が次世代に力強く息づくことを願っている。  今、我々に課せられた責務は、きもの文化を「育み」「発展させ」次世代に伝えることであるといえよう。首都・東京の地から次のとおり「サミット宣言」を行う。 1.我々は、呉服過量販売の一掃に努める。  (1)社会問題化している呉服の過量販売について真摯に受け止め、消費者の立場で消費者が安心して購入できる理想的な環境づくりに遭進する。  (2)呉服の「囲み販売」即ち、複数販売員が消費者を取り囲み、強要販売する手法の全面一掃に努める。  (3)消費者に対し、支払能力を超えた販売とクレジット契約を一掃する。  (4)「トレーサビリティ」システムを確立し、健全な取引を推進する。 2.我々は、呉服過剰与信の一掃に努める。  (1)社団法人全国信販協会に対し、つぎのことを要請する。・適正な与信の実行・与信の際、消費者に対しての説明責任の徹底化・呉服関係ローンの期間の短縮化・ローン金利の低減・消費者保護のため取引秩序の維持クレジット市場の健全化  (2)国に対し、過剰与信にかかる法制化を要請する。 3.我々和装に携わる者は、一丸となって「地域ブランド」の確立に努め、その推進に傾注する。 4.我々は「日本の絹」マークの推進に努める。 5.我々は、国産繭絹の振興に努める。 平成18年11月10日 きものサミット IN 東京 開催委員会

きものサミットIN東京から 国産繭・絹の新興と日本の絹マーク 社団法人日本絹業協会会長 吉國隆 (2006/11/13)

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 日本の繭、生糸、絹製品は何百年の技術蓄積が加えられたまさに伝統技術の結晶でございます。  原料である繭、生糸と絹製品は相互に支え合い刺激しあいながら発展してきたという風に考えられます。きものの文化、とかく絹文化に目が行きがちと考えますけども、絹文化も日本人の心と結びついた、また色々な習慣、行事とも結びついた非常に大事な文化ですが、その裏にきものを作る文化があることも見過ごしてはならないんじゃないかと考えております。  作る文化、かつては製品から原料まで一気通貫で、極端にいうなら同じ人がやっていたと、農家で蚕を飼い、糸を紡ぎ、それを自ら機を織るという形が歴史的にあるわけです。今でもそれに近い形の紬製品を作っている産地もあることはご承知の通りです。  現在は、きもの産業は分業化が進んで来ておることも事実でございまして、これはそれなりの経済合理性をもって発展をして来たことは疑いのないことでございます。  しかしながら一方で、それぞれの過程、原料は原料、織は織、染は染、流通は流通ということで、それぞれ分業してやっているだけでは、それぞれのレベルでのコスト競争ということで、コスト中心に走ってしまう恐れがあるのではないかというデメリットがあることも頭の隅に置いておく必要があると思われます。  コスト競争だけでは、原料とか中間製品が置き去りになる恐れがある。国際分業の形になるわけでしょうが、しかし、全体を通じての一気通貫の技術体系を継承し、発展させて行くということが和装産業として非常に大事だと思います。  自動車も部品の国際調達が進んで国際分業になっているが、技術開発の点において部品を含めた一気通貫の開発の体系がありませんと、これからの国際競争にうち勝っていくには色々問題があるのではないか。分業化と縦の連携、一気通貫の技術体系をうまく組みく合わせて進めて行くことが大切だと思われます。  そこで、国産繭、生糸の状況ですが、いずれも非常に減少してきています。かつては世界に冠たる近代養蚕製糸技術を確立して世界の輸出市場を独占していた。昭和30年代まで日本の輸出額のかなりの地位を占めていました。  蚕も病気に強くて大きな繭、ほぐれやすい繭などの品種が開発されてまいりましたし、また品質のよい生糸を効率的に揃える技術(機械)も日本で開発されよした。 現在では残念ながら中国が世界の生糸市場をリードしているが、これも日本で開発された技術体系の延長線上で生産が行われているのが実情です。  そこで、国産の繭、生糸の量が少なくなっても最小限のものは残していかなけれぱならなので、今年の春に農水省で蚕糸業のあり方に関する勉強会が開かれました。  これには川上、川下から各委員が参加され八月に中間取りまとめが行われましたが、やはり、国産の繭、生糸は和装産業基盤のひとつであるという理解のもとに、これを何とかして残していく必要がある、そのためには、川上、川下連携で製品づくり、また販売のなかに組み込んでこだわりの物づくりをしてもらうことで、これを進めていくことが基本であるということになりました。  現在、国内の大きな製糸会社は二社。その生糸の出荷状況の実態を調査させて頂いたわけですが、すでに半分強のものが何らかの連携を通じた物づくりにつながって出荷されている状況まで進んでいる。  これから契約生産という形にできるだけ近づけて、具体的なニーズに応じた品質の生糸を供給できるようにしようという方向が政府から打ち出されていますので、その方向に向かって今後ますます進んでいくと思われます。私どもは日本絹業協会が中心になって、経済産業省のご支援を頂きながら蚕糸業の構造改革事業を進めています。国産生糸がどう使われているか実情を調べながら、また川上、川下連携をいかにうまく進めていく手伝いもさせて頂きたいと事業を進めています。  そこで、日本の絹マーク制度も伝統文化に対する消費者の関心を少しでも呼び覚ましていきたい、そして消費者の商品選択のひとつの材料にして欲しいと4年前にスタートしました。  これも、川上川下各階の方々のご参加を得た協議会で方針を決めてもらい運営しているものです。絹マークの定義は染、織ともに国内で行われているもの。伝統技術と結びついた定義になっている。マークは公募作品の中から選んだものです。  このマークは定義の通り原料糸が国産であるとは問うておりません。織と染に着目した定義になっております。最近は消費者の関心に応えて原料糸から加工の過程まで、商品のデータを並べた表示をして物を作り、売るといった動きも出てきております。  高島屋さんの振袖ですが、京都のT社が染、長浜のK社が糸を提供、機屋さんで織られたが原料の繭は栃木県那須で生産されたもので、初めから商品設計で作られた振袖を売っています。  これは履歴表示型の絹マーク制度を使っていただいているわけですが、こういった形での連携が今後ますます広まって行くものと考えられ大きな期待をしています。(終)

横浜のシルク博物館 「全国染織作品展」開催 大賞には部谷有紀さんの「とんぼ」 (2006/10/23)

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 横浜のシルク博物館では秋の特別展「第十九回・全国染織作品展」を10月7日から11月12日まで開催している。  同展は服飾文化の発展に寄与しながら絹の需要増進を図ることを目的に、絹を用いた染織作品を広く全国から公募し、染織の専門家による審査のうえ、その入選作品を一堂に展観して、次代を担う新進作家の育成と染織技術の向上を図るために開催している。  厳正な審査の結果、シルク博物館大賞には部谷有紀さんの「とんぼ(染訪問着)」、シルク博物館賞には菅野かおりさんの「繚乱一夜花もよう(染訪問着)」が受賞、入賞作品」四点のほか入選作品合わせて73点を展示している。  第19回「全国染織作品展」入賞者:シルク博物館大賞(染訪問着)とんぼ・部谷有紀・千葉県▽シルク博物館賞(染訪問着)繚乱一夜花もよう・菅野かおり・神奈川県▽佳賞(染壁かけ)ヌクモリ・前田亮二・愛媛県▽奨励賞(染訪問着)緑のにおい・須藤真美子・石川県▽奨励賞(染訪問着)初秋・高橋孝之・東京都▽奨励賞(綴織着物)水の葉・田中千香子・山梨県▽奨励賞(染訪問着)摩天楼・片山朱美・京都府▽奨励賞(染着尺)森と泉・岡部睦美・京都府▽奨励賞(染帯)群II・水橋さおり・神奈川県▽奨励賞(織壁かけ)らせん22・佐々木かおる・福岡県▽技術賞(織着尺)市松花紹織・大城美枝子・沖縄県▽意匠賞(染帯)響き・村田典子・千葉県▽日本絹業協会会長賞(織帯)満天・比嘉瑠美子・沖縄県▽全日本きもの振興会会長賞(染訪問着)陽光・伊藤英美・京都府▽日本真綿協会会長賞(織着物)花まつり・京極三恵子・千葉県

日本蚕糸絹業開発協同組合 新小石丸の白生地、限定で発表 三丈、変わり一越で染めやすく (2006/06/12)

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 純国産の生糸を守ろうと昨年発足した日本蚕糸絹業開発協同組合(小林幸夫理事長)がこのほど、設立一周年記念「純国産商品ブランド紹介展」を京都烏丸プラザで開催した(絹小沢の京都商談会と併催)。  同組合は、全国一の養蚕県である群馬県の絹を守ろうと発足し、初年度は国産絹のPR事業や、「純国産日本の絹」の制定と普及、そして世界一の白生地「新小石丸」の開発などを行った。  この新小石丸の白生地は限定二百反で既に完売しているが、二年目の今年は得意先専門店の声を取り入れて、商品企画を練り直したのが特徴。  具体的には初年度は四丈でしぼの高い変わり織りだったが、「これでは友禅が染めにくい」との要望が寄せられ、今年は同じく限定二百反ながら三条で変わり一越としたもの。  発表会の時点ではまだ五反の見本反のみの状態だったが、品質的には最高の評価を得ているものの、制作で難物が出やすいなどの苦労が多く、なかなか効率的には難しいという。  ただ、実際に染めてみると他の白生地とは発色の点で素晴らしいものがあり、同組合では品質にこだわる専門店に積極的に奨めていくとしている。  なお、群馬県ではこの国産絹の普及振興を図るととともに、富岡製糸工場を世界遺産に登録しようと積極的にキャンペーンを展開しており、組合の催事などでもパンフレットを数種類用意して得意先に賛同を呼びかけていた。